戻る

Short Story(1)
死の行進曲



わたしあさぎりまい11さい!
今日はお兄ちゃんのためにチャーハンを作るんだ♪
この前教育テレビでやってたお料理番組で作り方やってたしね。
ということで〜。

あいまいみ〜まーいん!

「麻衣、何台所で騒いでるんだ?」
お兄ちゃんいつの間にかリビングにいたんだ・・・失敗失敗。

まずは中華鍋を温めて・・・。





ここまではとっても上手に出来たな。
最後に塩コショウで味付けっと。

さっさっばふっ!
あわわ、なんかのギャグマンガみたく塩コショウのキャップが外れて全部出ちゃった・・・。
せっかく頑張ったのに・・・。

「麻衣どうしたんだ?」

あ、お兄ちゃんがこっちに来ちゃう!
ど、どうしよう。

「あ、チャーハン作ってるのか・・・なんかいい匂いすると思ったら。
 もうかなり腹減ってきたから楽しみだな。」

・・・。
ど、どうしよう!
お兄ちゃん楽しみにしちゃったよ!!
どうしようどうしよう・・・。
そ、そうだ!
こういうときは鼻歌でも歌って・・・。

ふんふふーん♪
るんららーん♪

「お、麻衣ご機嫌だな。そうとう美味く出来たんだな。」

たらりらったらーん♪

(ごめんね、お兄ちゃん・・・)
私は心の中で謝った。

かんせーい!

見た目は普通のチャーハン。
でも味の保証無し。
ロシアンルーレットで全部ハズレが仕込んであるような、そんな食べ物になっちゃった。

「お、美味そうだな。では早速・・・。」

私は冷静を装いつつレンゲでご飯をよそうお兄ちゃんを見てるしかなかった。
そして神様にお兄ちゃんがこの先平穏でいられますようにと心の中でお祈り・・・。
瞬間、お兄ちゃんの悲痛の叫びが家中をこだました。

ごめんね、ごめんねお兄ちゃん・・・。

私は泣くしかできなかった。

「だ、大丈夫だって・・・ほらこの通りだし」

そんな真っ赤に腫れ上がった唇で言われても何の説得力もないのに・・・。
たぶん私が泣いてるのが辛いのかなぁ、お兄ちゃん優しいし。

うん、次はちゃんと美味しいお料理作ってあげるからね。

そう言ったらお兄ちゃんが私の頭を撫でてくれた。
すごく悪いことしたのにずっとしてもらいたいなぁ・・・。
ううん、次こそはお兄ちゃんに褒められる料理作らなきゃ!
・・・そして頭撫でてもらいたいなぁ。


(それから数年後、即ち現在)

ふんふふーん♪

びくっと達哉の身体が震える。
「麻衣のヤツ、また失敗したのか・・・」
あれから数年、確かに麻衣の料理の腕は格段に上がった。

るんらら〜ん♪

それと同時に失敗したときは謎の鼻歌を歌うクセが付いてた。
姉さんと二人で「デスマーチ」と命名し恐れている。
胃腸薬、用意しておくか・・・。

たらりらったら〜ん♪

おわり

戻る